【保存版】もう価格交渉で悩まない!ハーバード流交渉術を社長のコーチ兼弁護士が伝授

中小企業法務

池袋の弁護士、田村優介です!

「価格交渉が苦手でいつも損してしまう…」そんな悩みをお持ちのあなたへ。本記事では、ハーバード流交渉術のエッセンスを、中小、ベンチャー社長のコーチ兼顧問を多数務める弁護士が、わかりやすく解説します。

BATNAなど重要な交渉術を学ぶことで、もう価格交渉で悩むことはありません!具体的な交渉術はもちろん、法的リスクや練習方法まで網羅的に解説しているので、この記事を読めば、明日からあなたも価格交渉の達人になれるはずです!

1. 【保存版】もう価格交渉で悩まない!ハーバード流交渉術を社長のコーチ兼弁護士が伝授

「価格交渉」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?

「駆け引きが難しそう」「相手に嫌な思いをさせてしまいそうで気が重い」など、ネガティブなイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、価格交渉は、ビジネスにおいて、そして日常生活においても非常に重要なスキルです。

適切な価格交渉は、単に価格を値切るだけでなく、双方にとってより良い条件で合意形成を図り、良好な関係を築くためのコミュニケーション手段と言えます。

本記事では、多くの企業経営者やビジネスパーソンにコーチングや法的アドバイスを提供してきた、弁護士である私が、ハーバード流交渉術のノウハウを交えながら、価格交渉で失敗しないための具体的な方法を解説していきます。

1.1 価格交渉の重要性

ビジネスにおいて、価格交渉は利益に直結する重要な要素です。少しでも有利な条件で契約を締結できれば、企業の収益向上に大きく貢献します。また、価格交渉は、顧客との信頼関係を築き、長期的なビジネスパートナーシップを構築するためにも欠かせないプロセスです。

1.2 本記事でわかること

本記事では、以下の内容について解説していきます。

  • 価格交渉で失敗する原因
  • ハーバード流交渉術の基礎知識
  • 具体的な価格交渉術
  • 価格交渉における注意点
  • 価格交渉の練習方法

これらの内容を理解し、実践することで、読者の皆さんは、自信を持って価格交渉に臨み、より良い結果を得られるようになるでしょう。ぜひ最後まで読んで、価格交渉のスキルアップを目指しましょう!

1.3 ハーバード流交渉術とは

ハーバード流交渉術とは、ハーバード大学ロースクールのロジャー・フィッシャー教授とウィリアム・ユーリ教授が提唱した交渉術です。相手を打ち負かすのではなく、双方にとって納得のいく合意を目指す「原則立脚型交渉術」とも呼ばれ、世界中のビジネスパーソンから高く評価されています。詳細については、「ハーバード流交渉術 必ず「望む結果」を引き出せる!」(三笠書房)で詳しく解説されています。

1.4 この記事の信頼性

本記事の内容は、ハーバード流交渉術をはじめとする交渉術に関する書籍や論文、そして、私がこれまで企業経営者やビジネスパーソンに対して行ってきたコーチングや法的アドバイスの経験に基づいています。また、法的観点からの裏付けもしっかりと行っていますので、安心して読み進めてください。

それでは、早速、価格交渉で失敗する原因から見ていきましょう。

2. 価格交渉で失敗する理由

価格交渉は、ビジネスにおいて非常に重要なスキルです。しかし、多くの人が様々な理由で失敗を経験しています。価格交渉で失敗すると、利益を逃したり、不必要な損失を被ったりする可能性があります。ここでは、価格交渉で失敗する主な理由とその対策について詳しく解説します。

2.1 準備不足

価格交渉で最も多い失敗原因の一つが準備不足です。相手企業の状況や業界の相場、そして自社の立場などを十分に分析せずに交渉に臨むことは、失敗に繋がる可能性が高くなります。具体的な準備としては、以下の点が挙げられます。

  • 相手企業の調査:財務状況、市場における競合状況、経営方針などを調べることで、価格交渉における相手の事情を把握することができます。例えば、相手企業が資金繰りが厳しい状況であれば、多少低い価格でも受入れやすくなる可能性があります。
  • 業界相場の把握:類似の商品やサービスの価格帯を調べることで、自社の価格設定が妥当かどうかを判断することができます。業界団体の資料や市場調査レポートなどを参考にすると良いでしょう。
  • 自社の強みと弱みの分析:自社の商品やサービスの強みと弱みを明確にすることで、価格交渉においてどの部分を強調すべきか、どの部分を妥協できるかを判断することができます。例えば、品質に自信がある場合は、その点を強調することで価格交渉を有利に進めることができる可能性があります。
  • 交渉シナリオの作成:交渉開始価格、目標価格、妥協点などを事前に決めておくことで、感情的にならずに冷静に交渉を進めることができます。想定される相手の質問や反論に対する回答も準備しておくことで、スムーズな交渉が期待できます。

上記のような準備を怠ると、交渉中に適切な対応ができず、不利な条件で妥協せざるを得なくなる可能性があります。交渉前に十分な時間を確保し、綿密な準備を行うことが重要です。

2.2 情報収集不足

価格交渉を成功させるためには、相手企業や業界に関する情報収集が欠かせません。情報不足の状態では、相手の状況を正確に把握できず、適切な交渉戦略を立てることができません。例えば、相手企業の経営状況や競合他社の動向を把握せずに交渉に臨むと、相手の足元を見て不当に低い価格を提示してしまったり、逆に相場よりも高い価格を提示してしまい、交渉が難航する可能性があります。

情報収集には、インターネットや業界誌などを活用する方法もありますが、より確実な情報を得るためには、取引先や業界関係者などから直接話を聞くことも有効です。特に、価格交渉の経験が豊富な人物からのアドバイスは、実践的な情報を得られる可能性が高いため、積極的に活用していくと良いでしょう。

2.3 交渉術の不足

価格交渉は、単に価格のやり取りをする場ではありません。相手の立場や状況を理解し、自社の主張を論理的に伝えながら、合意形成を目指す高度なコミュニケーション能力が求められます。交渉術が不足していると、感情的になってしまったり、相手のペースに巻き込まれてしまい、不利な条件で妥協してしまう可能性があります。

効果的な交渉術としては、以下の点が挙げられます。

  • 相手の立場に立って考える:価格交渉は、自分の利益だけを追求する場ではありません。相手の立場や状況を理解し、双方にとってメリットのある条件を提案することで、合意形成を図りやすくなります。
  • 論理的な説明と根拠の提示:感情的に訴えるのではなく、客観的なデータや根拠に基づいて、自社の主張の妥当性を説明することが重要です。例えば、「御社の製品は高品質なので、この価格で販売したい」と伝えるよりも、「市場調査の結果、同品質の製品は平均でこの価格で販売されており、御社の製品にも十分に価格競争力がある」と伝える方が、相手を納得させやすくなります。
  • 質問力を活用する:相手のニーズや懸念点を的確に把握するために、積極的に質問することが重要です。例えば、「この価格で導入した場合、御社にとってどのようなメリットがありますか?」、「価格面以外で、何か懸念されている点はございますか?」といった質問をすることで、相手の真意を探ることができます。

2.4 感情的になる

価格交渉において、感情的になることは禁物です。感情的になると、冷静な判断力を失い、不利な条件で妥協してしまったり、交渉決裂に繋がる可能性があります。価格交渉は、あくまでもビジネス上の取引の一環であることを意識し、冷静かつ客観的な視点を持つことが重要です。

交渉中に感情的になりそうになった場合は、一度深呼吸をして冷静になる時間を取りましょう。また、事前に交渉シナリオを作成しておくことで、感情の起伏を抑え、冷静さを保ちやすくなります。交渉がどうしても平行線をたどる場合は、一度交渉を中断し、日を改めて話し合いを再開するのも有効な手段です。

2.5 強気すぎる態度

価格交渉では、自社の主張ばかりを押し通そうとする強引な態度は逆効果になる場合があります。相手を尊重し、双方が納得できる妥協点を探ることが重要です。強気な態度で交渉を進めると、相手は反発し、交渉が長引いたり、決裂する可能性があります。また、たとえ強引な交渉で一時的に有利な条件を引き出せたとしても、その後の取引関係に悪影響を及ぼす可能性があります。

価格交渉では、相手との良好な関係を築きながら、双方にとってメリットのある合意を目指すことが重要です。そのためには、相手の意見に耳を傾け、尊重する姿勢を示すことが大切です。相手の提案に対しては、頭から否定するのではなく、「貴重なご意見ありがとうございます。ただ、現状では少し難しい点がありまして…」といったように、まずは相手の意見を受け止める姿勢を見せるようにしましょう。その上で、自社の状況や考え方を丁寧に説明することで、相手との相互理解を深めながら、交渉を進めることができます。

2.6 妥協点を見失う

価格交渉では、自社の利益を最大限に確保しようとすると同時に、相手の立場や状況も考慮して、妥協点を見つけることが重要です。妥協点を見失ってしまうと、交渉が長引いたり、決裂する可能性があります。また、一方的に不利な条件で妥協してしまうと、自社の利益を損なうだけでなく、その後の取引関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

妥協点を見つけるためには、事前に交渉シナリオを作成し、交渉開始価格、目標価格、妥協点などを明確にしておくことが重要です。交渉開始価格は、自社の希望を最大限に反映した価格、目標価格は、現実的に目指すべき価格、妥協点は、これ以上は譲歩できないという最低限の価格です。これらの価格設定をしておくことで、交渉中に感情的になることなく、冷静に判断することができます。

2.7 契約内容の確認不足

価格交渉がまとまった後、契約書を交わすことになりますが、契約内容をよく確認せずに署名してしまうと、後々トラブルに発展する可能性があります。契約書には、価格以外にも、納期、支払い方法、キャンセル条件など、様々な項目が記載されています。これらの項目について、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。特に、キャンセル条件違約金に関する条項は、トラブルに発展しやすい部分なので、注意が必要です。契約内容に不明点や疑問点がある場合は、必ず担当者に確認し、納得した上で署名するようにしましょう。

価格交渉は、ビジネスにおいて重要なスキルの一つです。これらの失敗理由を踏まえ、適切な準備、情報収集、交渉術を身につけることで、成功率を高めることができます。成功する価格交渉は、企業の利益に大きく貢献するだけでなく、良好な取引関係の構築にも繋がります。

もし、価格交渉について不安がある場合は、専門家のサポートを受けることも有効な手段です。弁護士などの専門家は、豊富な知識と経験に基づいて、最適なアドバイスを提供してくれます。専門家のサポートを受けることで、より安心して価格交渉に臨むことができるでしょう。

3. ハーバード流交渉術とは?

「ハーバード流交渉術」とは、ハーバード大学法科大学院のロジャー・フィッシャー教授とウィリアム・ユーリー教授が提唱した交渉術です。相手に勝つことを目的とするのではなく、互いにとってより良い合意を目指す「原則立脚型交渉術」とも呼ばれます。

従来の交渉術では、駆け引きや圧力によって自分の主張を通すことに重点が置かれていました。しかし、ハーバード流交渉術では、感情論や駆け引きを避け、論理的な思考と互いの利益を追求することで、双方にとって満足できる合意形成を目指します。この交渉術は、ビジネス、政治、家族関係など、あらゆる場面で有効とされています。

3.1 交渉の原理原則

ハーバード流交渉術は、以下の4つの原則を基盤としています。

  1. 人を問題から切り離す
  2. 立場ではなく利害に焦点を当てる
  3. あらゆるオプションを考える
  4. 客観的な基準に基づいて交渉する

これらの原則を理解し、実践することで、感情的な対立を避け、建設的な交渉を進めることができます。例えば、「人を問題から切り離す」とは、相手の言動に感情的に反応するのではなく、問題そのものに焦点を当てることを意味します。また、「立場ではなく利害に焦点を当てる」とは、自分の主張だけを押し通すのではなく、相手の真のニーズや関心事を理解し、共通の利益を見出すことを意味します。

3.2 交渉の準備

ハーバード流交渉術では、事前の準備が非常に重要視されています。交渉を始める前に、以下のポイントをしっかりと押さえておく必要があります。

3.2.1 BATNAの明確化

BATNA(Best Alternative To a Negotiated Agreement)とは、「交渉が成立しなかった場合の最良の選択肢」のことです。交渉において、BATNAを明確化しておくことは非常に重要です。なぜなら、BATNAが交渉におけるあなたの底力となり、不利な条件で妥協してしまうことを防いでくれるからです。交渉前に、自分にとってのBATNAを明確化し、その価値を客観的に評価しておきましょう。

3.2.2 目標設定と情報収集

交渉に臨む前に、まずは「何を達成したいのか」という目標を明確に設定する必要があります。目標設定は、具体的な数値目標を設定することが重要です。例えば、「売上目標を120%達成する」「契約金額を10%アップする」といった具合です。目標設定と並行して、相手に関する情報収集も重要です。相手のニーズや置かれている状況、過去の交渉事例などを事前に調べておくことで、交渉を有利に進めることができます。インターネットや書籍、人脈などを活用して、可能な限り多くの情報を集めましょう。

3.2.3 シナリオの作成

交渉は、必ずしも自分の思い通りに進むとは限りません。むしろ、予想外の展開になることの方が多いでしょう。そこで、事前に複数のシナリオを作成しておくことが重要になります。例えば、「相手が強気の姿勢で来た場合」「交渉が長引いた場合」「合意に至らなかった場合」など、様々な状況を想定したシナリオを準備しておくことで、冷静かつ柔軟に対応できるようになります。

ハーバード流交渉術は、一朝一夕に習得できるものではありません。しかし、これらの原理原則や準備をしっかりと行うことで、より良い結果を得られる可能性を高めることができます。日々の業務や生活の中で、意識して実践していくことが重要です。

4. ハーバード流価格交渉術を社長のコーチ兼弁護士が解説!具体的な交渉術

価格交渉は、ビジネスにおいて非常に重要なスキルです。しかし、多くの人が、感情的になってしまったり、準備不足のために、納得のいく結果を得られていません。ハーバード流交渉術は、 such systematic approach to negotiation developed at Harvard Law School 、感情論ではなく、論理的な思考と戦略に基づいた交渉術です。ここでは、ハーバード流交渉術をベースに、社長のコーチ兼弁護士として、具体的な価格交渉術を解説します。

4.1 BATNA(交渉における最強の武器)を理解する

BATNAとは、Best Alternative To a Negotiated Agreementの略で、日本語では「交渉決裂時の最善策」と訳されます。交渉が成立しなかった場合に、自分が取れる最も有利な行動計画のことです。BATNAを明確にすることで、交渉において、感情的になることなく、冷静に判断することができます。BATNAが強力であればあるほど、交渉を有利に進めることができます。なぜなら、相手よりも優位な立場を確保できるからです。

例えば、あなたが、ある商品を100万円で購入したいと考えているとします。しかし、交渉の結果、相手が120万円を提示してきたとします。この場合、もしあなたが、他の業者から90万円で購入できるというBATNAを持っていれば、120万円で妥協する必要はありません。他の業者から購入すれば良いからです。しかし、もしあなたが、他に購入できる業者を知らず、どうしてもその商品を手に入れたい場合は、120万円で購入せざるを得ないでしょう。このように、BATNAの有無によって、交渉の結果は大きく変わってきます。

BATNAを明確にするためには、以下の3つのステップを踏むと良いでしょう。

  1. 交渉が成立しなかった場合に、自分が取れる行動をすべて書き出す
  2. それぞれの行動について、メリットとデメリットを分析する
  3. 最もメリットが大きく、デメリットが小さい行動をBATNAとして選択する

4.2 相手の立場と利益を理解する

価格交渉では、自分の利益だけを追求するのではなく、相手の立場や利益を理解することが重要です。なぜなら、相手もまた、自分にとって納得のいく条件で交渉を成立させたいと考えているからです。相手の立場や利益を理解することで、相手が何を望んでいるのか、どのような条件であれば交渉に応じる可能性があるのかを把握することができます。その上で、相手の利益も満たせるような提案を行うことで、交渉をスムーズに進めることができます。

相手の立場や利益を理解するためには、事前に徹底的な情報収集を行うことが重要です。例えば、相手の会社の経営状況、競合他社の動向、交渉対象となる商品やサービスの市場価格などを調べることで、相手がどのような状況で交渉に臨んでいるのかを推測することができます。また、交渉の場で、積極的に質問をすることも有効です。相手のニーズや要望を直接聞くことで、より深く理解することができます。

さらに、相手の立場に立って考えることも重要です。もし自分が相手の立場だったら、どのような条件であれば納得できるかを考えてみましょう。そうすることで、相手が受け入れやすい提案を検討することができます。

4.3 感情的にならず論理的に交渉する

価格交渉では、感情的にならず、常に冷静さを保つことが重要です。感情的になってしまうと、冷静な判断ができなくなり、交渉が不利に進展してしまう可能性があります。また、感情的になることで、相手との信頼関係を損ない、交渉決裂に繋がる可能性もあります。

価格交渉において、感情的になる原因の一つに、自分の主張が受け入れられないことに対する不満や怒りがあります。しかし、交渉は、自分の主張を一方的に押し通す場ではありません。相手と合意形成を行う場です。相手の主張にも耳を傾け、双方が納得できる妥協点を見つけることが重要です。

また、価格交渉においては、自分の意見を明確に伝えることも重要です。そのためには、事前に、交渉の内容を整理し、どのような主張を、どのような根拠に基づいて行うのかを明確にしておく必要があります。そして、交渉の場では、自信を持って、自分の意見を伝えるようにしましょう。

4.4 WIN-WINの関係を築く

価格交渉は、相手を打ち負かすことが目的ではありません。双方にとってメリットのある、WIN-WINの関係を築くことが重要です。WIN-WINの関係を築くためには、相手の立場や利益を理解し、尊重することが重要です。また、一方的な主張に固執するのではなく、柔軟な姿勢で交渉に臨むことが大切です。

WIN-WINの関係を築くためには、まず、交渉の目的を明確にすることが重要です。そして、その目的を達成するために、相手と協力していくという姿勢を持つことが大切です。交渉の中で、相手の意見に耳を傾け、相手のニーズを満たせるような提案を行うように心がけましょう。

また、WIN-WINの関係を築くためには、長期的な視点を持つことも重要です。目先の利益にとらわれず、長期的な関係構築を視野に入れた交渉を行うことで、結果的に、双方にとって大きな利益を得ることができるでしょう。

4.5 交渉決裂も視野に入れる

価格交渉では、必ずしも合意に達することができるとは限りません。交渉が成立しない場合に備え、交渉決裂も視野に入れておくことが重要です。交渉決裂を恐れて、自分の希望条件を大幅に下げてしまうことは避けなければなりません。

交渉決裂を視野に入れるためには、事前に、BATNA(交渉決裂時の最善策)を明確にしておくことが重要です。BATNAを明確にすることで、交渉決裂となった場合でも、冷静に、次の行動に移ることができます。

また、交渉決裂となった場合でも、相手との関係を良好に保つことが重要です。交渉決裂は、必ずしも、相手との関係が完全に断たれてしまうことを意味するわけではありません。将来、別のビジネスで協力する可能性もあります。そのため、交渉決裂となった場合でも、相手に対して、感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。

価格交渉は、ビジネスにおいて非常に重要なスキルです。ハーバード流交渉術を学び、実践することで、必ずや、あなたのビジネスを成功に導くことができるでしょう。

5. 価格交渉における注意点

価格交渉は、ビジネスにおいて重要なプロセスですが、同時に注意すべき点もいくつか存在します。ここでは、価格交渉を行う際に留意すべき点について詳しく解説していきます。

5.1 誠実さを忘れない

価格交渉において、もっとも重要なことは誠実さです。交渉相手を欺いたり、不当に低い価格を要求したりすることは、短期的な利益にはつながるかもしれませんが、長期的な視点で見ると信頼関係を損ない、ビジネスに悪影響を及ぼす可能性があります。常に誠実な態度で交渉に臨むように心がけましょう。たとえば、値引きを要求する際には、その理由を明確に伝えることが重要です。単に「安くしてくれ」と言うのではなく、「予算の都合で、〇〇円であれば購入できるのですが…」といったように、具体的な理由を伝えることで、相手もこちらの状況を理解しやすくなり、交渉がスムーズに進む可能性が高まります。また、嘘や誇張を避けることも重要です。たとえば、実際には他の会社からもっと安い見積もりをもらっていないにもかかわらず、「他社からはもっと安い価格を提示されている」などと嘘をつくことは、交渉決裂の原因となるばかりか、その後のビジネスにも悪影響を及ぼす可能性があります。交渉においては、常に正直であることが大切です。

5.2 法的リスクを理解する

価格交渉には、法的リスクも伴います。独占禁止法や下請法などの法律に違反する行為は避けなければなりません。たとえば、優越的な立場を利用して、相手に不当に低い価格を強制する行為は、独占禁止法に違反する可能性があります。また、下請業者に対して、不当に低い価格で仕事を請け負わせる行為は、下請法に違反する可能性があります。これらの法律に違反すると、罰金や損害賠償などの法的責任を負う可能性があるため、注意が必要です。価格交渉を行う前に、関係する法律について事前に確認しておくことが重要です。弁護士などの専門家に相談するのも有効な手段です。法律を守り、倫理的な行動を心がけることが、健全なビジネスの発展につながります。

5.3 知的財産権への配慮

価格交渉の対象となる商品やサービスに、特許権や著作権などの知的財産権が含まれている場合、その権利関係を明確にしておくことが重要です。特に、ソフトウェア開発やデザイン制作などの分野では、知的財産権に関するトラブルが発生しやすい傾向にあります。価格交渉の段階で、権利の帰属や利用許諾条件などを明確に定めておかなければ、後々トラブルに発展する可能性があります。契約書などの書面を作成し、権利関係を明確にしておくことが重要です。また、必要に応じて、弁護士などの専門家に相談することも検討しましょう。

5.4 情報管理の徹底

価格交渉では、企業の機密情報がやり取りされることがあります。これらの情報は、競争優位を維持するために非常に重要であり、漏洩した場合、企業に大きな損害を与える可能性があります。そのため、情報管理を徹底し、漏洩防止に努める必要があります。具体的には、秘密保持契約を締結したり、アクセス権限を制限したりするなどの対策が考えられます。また、従業員に対して、情報セキュリティに関する教育を定期的に実施することも重要です。情報管理を徹底することで、企業の信頼を守り、安定的な事業活動を継続することができます。

5.5 その他

  • 契約内容の確認:価格だけでなく、納期、支払い条件、保証内容など、契約内容をしっかりと確認しましょう。トラブルを避けるために、契約書は必ず書面で作成し、内容に不明点があれば、必ず確認するようにしましょう。
  • 円滑なコミュニケーション:交渉相手との良好な関係を築くためには、円滑なコミュニケーションが不可欠です。相手の意見に耳を傾け、相互理解を深めるように心がけましょう。また、疑問点があれば、遠慮なく質問することも重要です。コミュニケーションを密にすることで、誤解やトラブルを未然に防ぐことができます。

価格交渉は、単に価格を決定する場ではなく、ビジネスパートナーとしての信頼関係を築くための重要なプロセスです。長期的な視点を持って、誠実に交渉に臨むことが、最終的には企業の利益につながります。これらの点に注意しながら、価格交渉を進めていきましょう。

6. 価格交渉の練習方法

価格交渉のスキルは、一朝一夕に身につくものではありません。実践的な練習を通して、自信をつけ、様々な状況に対応できる柔軟性を養うことが重要です。効果的な練習方法をいくつかご紹介します。

6.1 ロールプレイング

価格交渉の練習として非常に効果的なのが、ロールプレイングです。友人や同僚に協力してもらい、交渉の場面を想定して練習してみましょう。自分が売る側、相手が買う側と役割を決め、事前にシナリオを作成しておくとスムーズに進めることができます。

  • 交渉する商品・サービス
  • 目標とする価格
  • 譲歩できる範囲
  • 相手方の状況やニーズ

などを事前に設定しておきましょう。

6.1.1 ロールプレイングの効果を高めるコツ

より効果的にロールプレイングを行うためのコツをいくつかご紹介します。

  1. 状況を具体的に設定する:商品・サービスの具体的な内容、価格、納期など、詳細な設定を決めておきましょう。現実の交渉に近い状況を再現することで、より実践的な練習になります。
  2. 感情を交えながら演じる:単にセリフを言うのではなく、実際に交渉しているかのように感情を込めて演じてみましょう。緊張感やプレッシャーを感じながら練習することで、本番での対応力を高めることができます。
  3. 客観的なフィードバックを受ける:ロールプレイング後には、相手方に感想や改善点などをフィードバックしてもらいましょう。客観的な視点からの意見を参考に、自分の強みや弱みを把握することができます。

6.2 交渉の記録

交渉の記録は、自分の交渉スキルを振り返り、改善点を見つけるための貴重な資料となります。記録をつけることで、成功パターンや失敗パターンを分析し、次回以降の交渉に活かすことができます。具体的な記録方法としては、以下の様な方法が考えられます。

項目内容
交渉相手相手方の会社名、部署、役職、氏名などを記録します。
交渉日時交渉を行った日付と時間を記録します。
交渉内容価格、納期、支払い条件など、交渉の内容を具体的に記録します。
結果交渉が成立したかどうか、成立した場合の条件などを記録します。
良かった点交渉の中でうまくいった点、自分の強みを発揮できた点などを記録します。
改善点交渉の中で反省すべき点、改善の余地がある点などを記録します。

6.2.1 記録を活用した分析と改善

記録した内容は、定期的に見返すことが重要です。成功パターンを分析することで、自分の強みを再確認し、自信に繋げることができます。また、失敗パターンを分析することで、改善点を見つけることができます。例えば、「相手の立場に立って考えることが不足していた」「感情的になりすぎてしまった」「準備不足だった」など、具体的な改善策を検討することで、次回の交渉に活かすことができます。

7. まとめ

今回は、価格交渉で失敗しないためのハーバード流交渉術について解説しました。交渉術の基本として、BATNAや相手の立場を理解すること、感情的にならずWIN-WINの関係を築くことが重要です。また、交渉決裂も視野に入れ、法的リスクを理解しておくことも大切です。これらのポイントを踏まえ、ロールプレイングなどで練習を重ねることで、自信を持って価格交渉に臨めるようになるでしょう。

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