内定時に聞いた給与が入社してみたら減額されていた!これって合法?

労務トラブル(労働者側)

内定時に聞いた給与が入社してみたら減額

2024年4月10日、週刊文春の下記報道がありました。“CIAOちゅ~る”で有名な「いなば食品」の件です。

「ウラに契約違反と“女帝”の存在が…」“CIAOちゅ~る”のいなば食品で一般職の新入社員9割が入社拒否「逆らうと、どうなるかわからない」 | 文春オンライン
「ちゅ~るちゅ~る CIAOちゅ~る」や「ラ~イトツナは、いなば」など軽快なCMで知られる缶詰製造大手いなば食品。 今年3月には大谷翔平選手の所属するロサンゼルス・ドジャースのスポンサーにもなった有名…

この中に、採用内定時に聞いていた給与額が、入社してみると3万円減額されていた、という話が出ています(いなば食品側は誤解であり減額ということではない、と主張しているようです。)。

事実関係がいずれであるかは今後の展開に委ねるとして、仮に、内定時に示されていた給与が入社した際には減らされていた、という場合、これは合法なのでしょうか。

「採用内定」は労働契約!

そもそも「採用内定」とはなんでしょうか。

最高裁判所の判例は、「採用内定」とは「始期付解約権留保付労働契約」である、としています。

非常に難しい日本語を使っていますが、噛み砕いていうと、

  • 1 働き始める時期が少し先(翌年4月1日など)に決まっている
  • 2 内定時にわからなかった情報などが出てきた場合(留年が決まったなど)解約できる
  • 3 労働契約

ということです。

今回は「3 労働契約」である、ということがとても重要です。

契約は、守らなければならない!

では、契約とは、なんでしょうか。

私の、誰でもわかるように限界まで噛み砕いた定義をお伝えしますと、

契約とは、「人と人の間で交わした約束であり、守らなければならないもの」、です。

採用内定が「契約」である以上、そこで約束した金額は支払わなくてはならない、ということが結論となります。

ただし、「契約内容をやっぱり変更してほしい」、とお願いし、相手に、「わかりました」、と合意してもらう交渉をすることはできます。

でも、相手方は、「わかりました」と承諾しなければいけない義務はないのです。

契約はそれだけ重いものであるということが法律的な考えの基本です。

まとめ

ですので、最初の問題「内定時に示されていた給与が入社した際には減らされていた、という場合、これは合法なのでしょうか。」の回答は、

「違法です。会社が勝手に給与を減額することはできません。」となります。

こういった「これって法律的にどうなの?」という疑問がありましたら、いつでもお気軽に弁護士に相談してください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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